ふるさと

朝若き光たださす桃畑の玄土の上に立ちたりわれは

             ーーふるさとの朝ーー

                  岡野直七郎



早朝でしょうか、桃畑に日の光が差しているんですね。

その光に満ちている桃畑の玄土の上に、しっかと立って、ふるさとの良さを、かみしめているのでしょうか・・・・・。



かなしみて帰れるわれをふるさとの山はむかえぬ母のごとくに



何があったのでしょうか・・・・・。

悲しい思いをしながら帰った作者を、ふるさとは、温かく優しく迎えてくれたんですねえ。

子供のころからの想い出がよみがえったんですねえ・・・・・。



青山に日の照る見ればやわらかにいたわられゐるわれかと思ほゆ



なつかしい、ふるさとの山が日を浴びている。

それを見ているだけで心なごんでいるのですねえ・・・・・。



すがすがし野山見放くるわが前を朝の礼して村人ゆきぬ



ふるさとの野山を、心洗われる思いで、遠く眺めていると、村人は気さくに朝の挨拶をしながら通ってゆく、ああ!ふるさとは、いいなあ・・・・・。



碑の文字のくぼみにさし照れる日光しづけし春としおもえば



いしぶみに彫られた文字を照らす日の光に、少し影もできているのでしょうか。

静かな、ふるさとの春なんですねえ・・・・・。

つたないものですが、僕なりに味わってみました。次回は先生の鑑賞を味わって頂ければと思います。

娯楽小説作家:藤本英明 (大空まえる・明日香英麿・藤本楠庭)

絵本・探偵小説・時代小説・随筆・歌集・アダルト小説などを執筆しております。

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