細井魚袋 僕なりの鑑賞

しづかにしづかにわれはあゆみをり冬日さししむふるさとの道


かたはらにひとのをらぬをよろこびてあゆみつづけぬふるさとの道


ふるさとの道をしづかにあゆみしにわれにうれひのかげとてもなし

                          細井魚袋


しづかにわれはあゆみをり、というところを味わいますと、しみじみとふるさとの良さを味わっているんだろうなあ、という気がいたします。


人と行合うこともなく、なつかしいふるさとを独り占めできている喜びでしょうか。


憂うることもあるのかもしれない、でも、ふるさとの道を歩いている今は、そんなことも忘れられているのでしょうか・・・・・。



わりきれざるもののなかよりわが一生究めむとするくるしかりける

納得できないこともあるのが人の世の常、良い生き方をするのは難しいものだ・・・。



こぼれくる秋の光をあびをれば寂光のなかにゐるここちしぬ

悟りを開きたいんでしょうね・・・・・。

娯楽小説作家:藤本英明 (大空まえる・明日香英麿・藤本楠庭)

絵本・探偵小説・時代小説・随筆・歌集・アダルト小説などを執筆しております。

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