歌集「山水」湯浅竜起著より抜粋 つづき

風荒ぶ琵琶の湖面はるけくも波の騒立つ見えて続けり


散りたまる乙女椿の花びらをそのまま林泉の石はしづもる


梅の香の淀むと匂ふみ園生は池面も石もただにひそけく


たたずまひなべて静けき林泉庭に一樹の梅が香をただよはす


咲ききはる辛夷の花はその白さかがよふときに散り初めにつる


瀬の音の続く谷間の静けさに川下遠く河鹿鳴くなり

娯楽小説作家:藤本英明 (大空まえる・明日香英麿・藤本楠庭)

絵本・探偵小説・時代小説・随筆・歌集・アダルト小説などを執筆しております。

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