とぼしい情操なれど(僕なりの鑑賞)

鳰鳴くや月のしたびにたたへたる水は輪となりはてなかりけり

                 石井直三郎


鳰(にお)とはカイツブリのことらしいのですが、僕はあまり見たことがなくて、たぶん小さめな水鳥でしょう。そしてまた、この歌の情景が良く掴めません。むつかしい歌だと思います。

鳰が鳴いたので、その存在に気付いたのでしょうか。

月の出ている夜の池か、あるいは湖だと思うのですが、そこにいる鳰の立てる波紋が、静かな水面を、どこまでも広がってゆくのではないのでしょうか。

娯楽小説作家:藤本英明 (大空まえる・明日香英麿・藤本楠庭)

絵本・探偵小説・時代小説・随筆・歌集・アダルト小説などを執筆しております。

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