とぼしい情操なれど(僕なりの鑑賞)

   白浜海岸     窪田空穂「冬日ざし」より

蒼海の遠き望みて白まさご踏みてわが行く引かるる如く


白まさご踏めばやはらにもの深くかがよふ光目をふさがしむ


歩みとめてかがよふ砂にあぐらしぬいや真白くもいや広き浜


白き浜尽くるところに小さき鳥ゐると見ゆるは人にしあるらし


若葦かはた小松かもましら砂かがよふ浜の青き一隅


手に掬ふ真砂ましろくこまやかに美しかれば懇ろに置く


田辺湾ただに真蒼く立つ波の一つの見えね籠るとどろき



田辺湾の砂浜は、おそらく相当広いんでしょうね。

また、その砂が白くてきめ細かいのでしょう、日が当たれば目をふさぎたくなるほど。

娯楽小説作家:藤本英明 (大空まえる・明日香英麿・藤本楠庭)

絵本・探偵小説・時代小説・随筆・歌集・アダルト小説などを執筆しております。

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