とぼしい情操なれど(僕なりの鑑賞)

つれだちて遊ぶ一日ぞ紀の海べ白良の浜の春きよき砂


宿(やど)りしはいづくと知らず父が来し戦(いくさ)さなかの白良の浜べ


いまのわが齢の父とたどられて形見とぞ踏む白良の浜砂


まばゆくは照らぬ春日の満ちわたる白砂浜の踏むに飽かなく


春潮の引く磯づたひ海の草海栗(うに)など手触れこごみゐる妻

                窪田章一郎



奥様と、お子様もおられたでしょうか、お父様が戦時中訪れられた砂浜。

その、お父様のお歳になられたのでしょうか、形見とも思えて、しみじみと訪れし砂浜。

娯楽小説作家:藤本英明 (大空まえる・明日香英麿・藤本楠庭)

絵本・探偵小説・時代小説・随筆・歌集・アダルト小説などを執筆しております。

0コメント

  • 1000 / 1000