先生の鑑賞を参考にさせて頂いての鑑賞

しづかにしづかにわれはあゆみをり冬日さししむふるさとの道

             細井魚袋



   先生の鑑賞

魚袋は千葉県木更津に生まれ、十四のときから歌を作りはじめ、後に尾上柴舟に師事し、中年には朝鮮総督府に勤め歌̪誌「真人」を創刊したりしました。

大正十三年三十六歳のとき東京に帰り、内務省に出向、作歌の上でも大いに活動し、昭和二十年終戦と同時に郷里に隠棲しました。(中略)

ふるさとの有難さを胸深くかみしめるように、またそのふるさとの、彼にとっては尊さとも神聖さともたとえたいようなあるものを、みだしたり損なったりすることのないように、だいじにだいじにして道を歩いていたのでしょう。

初句のしづかにという字足らずは、ほんとうにそのときの、ふるえやすいこまやかな心を表していると思います。

 そのふるさとの道には、おりから沁みるように冬の日がさし満ちているのです。

彼の歩みももちろん静かだったのでしょうが、その冬の日の故郷の道の界隈も、しんとひそまりかえった静かな日であったに違いありません。



   僕なりの鑑賞

冬の日の差している・・・・・。

ふるさとの道を・・・・・。

味わいながら・・・・・。

味わいながら・・・・・。

歩いておられる・・・・・。

娯楽小説作家:藤本英明 (大空まえる・明日香英麿・藤本楠庭)

絵本・探偵小説・時代小説・随筆・歌集・アダルト小説などを執筆しております。

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