先生の鑑賞を参考にさせて頂いての鑑賞

春あらし水揉(も)みたてて桜田の門の岸べに白き泡寄る

            植松寿樹



   先生の鑑賞

(前略)春あらしということばを、大きな樟の木をさわがす音くらいからしか連想してなかったわたしは、関東の春の風に触れてみて、はじめて実感として感じたものです。

 皇居のお濠を吹き渡るその春あらしの強さは、波をかきたてて岸べにふきつけて来る早さに、まのあたりに見せられます。

ほんとうにお濠の面がさわぐのです。

その騒ぐありさまのいきおいを感じながら、どのように表現したらよいのだろうかと案じたことも、浅才なわたしにはいくたびかありました。

 そのとき、植松寿樹の「渦若葉」という歌集を手にして、この歌を見たのです。

 おどろきました。

「揉みたてて」という表現をしているのです。

まったくその感じそのままなのです。

この歌ほど、お濠の上を吹きわたる関東の春あらしの感覚をぴったりと写生されたものはないのではないかと思いました。(以下略)



   僕なりの鑑賞

桜田門のことなんですね・・・・・。

それほど強い・・・・・。

関東の春あらしなんですか・・・・・。

お濠の水を泡立てるまでに・・・・・。

娯楽小説作家:藤本英明 (大空まえる・明日香英麿・藤本楠庭)

絵本・探偵小説・時代小説・随筆・歌集・アダルト小説などを執筆しております。

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