先生の鑑賞を参考にさせて頂いての鑑賞
うららけき野に人のゐて呼べる声ちかくひびけりこの二階まで
国武史郎
先生の鑑賞
国武史郎と言う人は、非常に繊細な神経をもっているという感じの人で、歌の一字一句にもそういうデリケートな感覚を出して表現する人でした。
だからといって、一首出来上がった歌としては、もちろん細かくとがり過ぎたという強さを見せるようなところもなく、ごく自然に表現されているのです。
(中略)こころをとめてみたいところは、「うららけき」と、「ちかく」という言葉につけて、「ひびけり」という言葉の斡旋の関係です。
「うららけき野」と言えば、もちろんある大きな広がりを感じます。
「人のゐて」と言ってあるところからも、直ぐ近所ではないということが思われます。
そこに、人の呼ぶ声がたつのですが、それが、思ったより近くひびいてくるという感じです。
それを「この二階まで」という結句でキマリをつけたように表現しています。(以下略)
僕なりの鑑賞
宿の二階でしょうか・・・・・。
広く開けた野に人がいて・・・・・。
誰かを呼んでいる・・・・・。
その声が・・・・・。
いがいと近く聞こえるんですねえ・・・・・。
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