先生の鑑賞を参考にさせて頂いての鑑賞

のぼり来し山のたひらにとんぼ飛ぶ谿にも山にも黄いろき日のひかり

               片山広子



   先生の鑑賞

そこらじゅう無数にとんぼが飛んでいたのでしょう。

 とんぼのすきとおった翅が、おりから射している日を受けて、とんぼの動きにつれてあやしく光をかえすのです。(中略) 

山のたいらに出てきた瞬間に、自分の眼を射たのが、そのような黄いろい日の光だったのです。

 ことがらは以上のようですが、それをこの歌のような表現として詠まれると、三句以下あたりの奥に漂うどことも知れぬ哀愁に似たセンチメントを感じるのです。

それが、とんぼという動物から感じる人間の情緒なのかも知れませんが、「黄いろき日のひかり」ということばは、単なる興味や驚きなどではない何者かが、内奥のしらべとしてたたえられているのを感じます。



   僕なりの鑑賞

蜻蛉がいっぱい飛んでいるんですね・・・・・。

回りの山にも谷にも・・・・・。

その翅に反射した日の光が・・・・・。

辺りに満ちている・・・・・。


娯楽小説作家:藤本英明 (大空まえる・明日香英麿・藤本楠庭)

絵本・探偵小説・時代小説・随筆・歌集・アダルト小説などを執筆しております。

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