先生の鑑賞を参考にさせて頂いての鑑賞
碑(いしぶみ)の文字(もじ)のくぼみにさし照れる日光(ひかげ)しづけし春としおもへば
岡野直七郎
先生の鑑賞
この歌の上半の描写は、繊細にゆきとどいていますが、日光しづけしという四句目であざやかにその気分を浮き立たせています。
やわらかい、暖かい春の日差しであることが、文字のくぼみにという細かい心遣いのある表現から感じられてきます。
そして、情緒を主とした落ち着いた味わいが一首全体を通じてにじみ出ております。
直七郎の作風は、事実を執拗に追い求めるというかたちはとらなくても、自分の心を重しとして、しらべのうちにおのずから自己の事実を表そうとしていることが分かるように思います。
僕なりの鑑賞
碑に彫られた文字・・・・・。
そこに穏やかな・・・・・。
春の日が差している・・・・・。
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