先生の鑑賞を参考にさせて頂いての鑑賞
谷かげの参道いまは黄昏れて御陵守(みささぎもり)は山をくだれり
橋田東声
先生の鑑賞
(前略)東声は四十五歳で世を閉じているのです。
たいそう若くてなくなったわけですが、肉親の縁にも薄い生涯で、彼としては傷心の生活が続いていたせいかとも考えられます。
「黄昏れてー--山をくだれり」というあいだの歌のしらべが、何ということなしに読む者にそのような、しみ入るような静寂なさびしさを感じさせるのです。
きっと、作者もそのようなひっそりとしたものを心のなかふかく感じ堪えながら、この歌を詠んだに相違ありません。
そしてそのような感じを受けたことがらを、そのままたださりげない普通の言葉で、よみおろしたのです。
歌の微妙な味は、それと表にはいい出さなくても、心のうちにある深いしらべを堪えながら、ありのままに詠みいずるときに、言外の深いしらべも、そのあいだに彷彿として描きだされるところにあると思います。
僕なりの鑑賞
黄昏れた谷かげの参道・・・・・。
そこを御陵の守衛は下って行く・・・・・。
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