先生の鑑賞を参考にさせて頂いての鑑賞
「真間にて」
山道にかかればここは墓所にて疎林に雨のくだるしづけさ
市山盛雄
先生の鑑賞
(前略)作者は、人生の前半を朝鮮半島ですごしましたが、この歌のできる頃は、千葉県の野田市の醬油会社に勤めていました。
真間というのも、万葉集で有名な真間の手児奈の古跡のことと思われます。
ある日、作者がそこをたずねて行ったときの歌でしょう。
道が浅い山道にかかります。
まばらに樹木がはえていますが、見ると諸所に墓石が立っているのです。
真間の井の近くには、私の記憶ではさして大きくもない櫟(くぬぎ)の木が多かったように思います。
枯葉をつけた櫟の風情は、たださえものさびしい感じを受けるものですが、そこが墓碑の点在する墓どころで、おまけに雨が白く雨脚をみせながら降っているのです。
もちろん、雨は土砂降りの雨とは違います。
しかし、冬のつめたさをいっそう心にしみこますような降りかたをしているのです。
筋を引いて落ちてくる雨が、おそらく落ちたまっていたであろう木々の枯葉の上に、あるかなしかの音をしのばせるように注いでいただろうと想像されます。
その感じを「くだる」という言葉で表現しました。(以下略)
僕なりの鑑賞
山道にかかる辺りの墓所・・・・・。
その一帯の葉の落ちた林・・・・・。
そこに落ち葉がたまっていて・・・・・。
雨がしとしと降っている・・・・・。
静かに・・・・・。
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