先生の鑑賞を参考にさせて頂いての鑑賞

たまたまあそび相手になりてやれば御用はないのといふ子かなしき

              水町京子



   先生の鑑賞

微妙なおとなの心をよく言いあらわしてあると思うと同時に、読む者の共感を誘うところだと思われます。

おとなしく一人遊びしている幼児がいとおしくなって、時には自分の仕事の手を止めて遊び相手をしてやるようにしますと、いつもはおとなの仕事ばかりしていて、良い子は一人で遊ぶのといっては構ってやらないことが多いものですから、「御用はないの」と幼児は問いかけます。

幼児にとっては、たまに遊んでもらえることがうれしくないことは無いはずです。

それにもかかわらず、いつもと違うことをしてくれるので、無邪気に思ったままを口にしてたずねかけるのです。

おとなの心からすれば、いとけない子が、自分に気を遣ってくれているようにも思えるでしょう。

その言葉を聞くと同時に、たまらなくいじらしく思う気持ちやその利発さをかわいく思う心がこみあげてまいります。

それをそのままに「いふ子かなしき」と言いおろしました。



   僕なりの鑑賞

子供なりに・・・・・。

忙しい自分に・・・・・。

気を遣ってくれている・・・・・。

ああ、いとおしい・・・・・。

娯楽小説作家:藤本英明 (大空まえる・明日香英麿・藤本楠庭)

絵本・探偵小説・時代小説・随筆・歌集・アダルト小説などを執筆しております。

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